ブリュッセルから東に 40km、ヒューガルデン (Hoegaarden) 醸造所へ。小さな農村の一角に大きなブルワリーがある。工場敷地内のブラッセリーでビールをいただく。今回の旅で生のヒューガルデンを3回飲んだが、当然ここが一番状態がよかった。酵母の出すクローブの香りとコリアンダー、オレンジピールがここちよくバランスしていて小麦の重さを感じない。次によかったのがレフ直営のカフェレフ。ベルギー国内でこれだけ違うのに、日本で飲まれるヒューガルデンが本物と程遠いことを実感。
ビールごとにグラスが違うのもベルギービールの特徴。
ベルギーの南東 75km、ディナン (Dinant) 近郊の田舎にあるボック (Bocq) 醸造所。アニスやりんごなど派手な味が特徴で技術力が高い。世界的な醸造所統合の嵐の中、大手資本が入っていない珍しい中規模醸造所。社員35人で年間 6,000kl を醸造。1人4ユーロで見学 + 試飲だがたまたま村のお祭りで見学が無料だった。英語でも丁寧に説明してくれる。28度に保たれた瓶内熟成倉庫にはコルセンドンク (Corsendonk) など他社ライセンス生産のビールも眠っていた。
ディナンの街はずれにあるレフ (Leffe) 修道院。InBev 傘下の大きな醸造所だが、ここでは飲めない。近くをムーズ川が流れる。
6つの修道院ビールの1つの醸造元、オルヴァル修道院 (Abbaye d'Orval)。ルクセンブルク国境に近いベルギー南東部にある。フランスナンバーの車も多い。
オルヴァルのロゴデザインになっている、指輪を落とすと鱒が拾ってくれたという伝説の泉と、その隣りにある門。
修道院の 100m くらい手前にある直営カフェにて、オルヴァルとここでしか飲めない緑瓶のオルヴァル (3.5%abv) を飲む。
デュポン (Dupont) 醸造所と通りの向かいにある直営カフェ。ベルギー南部やフランスで飲まれる淡色エールのセゾンビールで有名。
ベルギー最大のホップ生産地、ポペリンゲ (Poperinge) のホップ畑。つるを上に伸ばすが、春だったのでまだ小さい。高さは写真中の人と比べるとわかる。
ポペリンゲの街中にて。ホップと関係ない店でもホップの看板。町の中心にある市庁舎?
ポペリンゲから北へ 5km、ウエストフレテレン (Westvleteren) 醸造所。6つの修道院ビールの1つ。大きな駐車場のある立派なレストランが畑の中に突然現れる。世界一おいしいビールと紹介されたらしく、おみやげ瓶も買えないほどの人気だが、要するにチョコレート麦芽とホップのフレーバーが派手でフルボディのアメリカ人好みの味。
ゲント (Gent) で一番大きなビール専門店、ホップデュヴェル (De Hopduvel)。種類も多く値段もそこそこ安い。自社ブランドの Gentse Tripel も売っている。Duvel に似てフルボディで濃いのに癖がなくクリーンで飲みやすい淡色トリペル。直営カフェが 1km くらい南の環状線の近くにあって、食事もよい。
ブリュッセルの北 20km くらいにある、モートガット・デュヴェル (Mootgat Duvel) 醸造所。大きな工場の横にあるカフェは残念ながら休みだったので向かいにある普通のカフェで飲む。デュヴェルがおいしいのはもちろんだが、ここの作ったドイツ風のピルスもよかった。
アントワープ中央駅からトラム (地下鉄) で10分くらい南西に行った所にあるデコーニンク (De Koninck) 醸造所。直営カフェはないので近くのレストランで飲む。褐色でカラメル感を少し出していて、ホップとエールのアロマが弱く華々しい。イギリスのエールに近い。
アントワープ中心部にあるよいカフェ、クルミナトール (Kulminator)。ガイドブックに載ってるからか日本人も見かけた。奥のセラーには多くのヴィンテージビールやグラスが眠る。ロシュフォール10の5年物を試してみた。ちゃんと瓶の底の澱を 1cm 残して注いでくれる。甘みもボディもかなり減ってマイルド。
ブリュッセルミディ駅の北 500m くらいの所にあるカンティヨン醸造所。数少ない自然発酵、酵母を入れないランビックビールを作っている。ランビックといえば酸っぱくて飲みづらい印象があるが、現地の試飲ではまろやかな酸味とかすかにチーズっぽいホップがバランスしておいしい。自然発酵なので仕込みの時期が秋から春までに限られている。地球温暖化の影響からか、仕込める時期が昔より1か月減っているそうです。あちこちの温度計が20℃を指していた。
銅製の広い冷却槽。ここで麦汁をゆっくり冷やして天然の酵母を根付かせる。屋根瓦にも通気のための穴が開けてある。ビールが極力外気に触れないようにする普通の醸造所とはかなり違う。薄暗い貯酒庫は樽の上からビールが吹き出したまま放置してあり、それを食べる昆虫が来て、それを食べるクモがいる。生態系の維持のためクモの巣は取らないとのこと。
ヴァイアマン (ドイツ) の有機ピルスナー麦芽の袋があった。
ブリュッセルから南へ電車を乗り継いで1時間弱、ベールセル (Beersel) へ。何もない田舎の無人駅。ベールセル城が観光スポットらしい。400m ほど東に歩くと自家醸造レストラン、ドゥリーフォンティネン (3 Fonteinen) がある。ランビック (自然発酵) ビールを自家醸造している珍しいブラッセリー。